チャイの大敵!酸性酵素と牛乳の分離を防ぐ方法

寒い日に飲みたくなるスパイス香る本格チャイ。しかし、せっかく作ったチャイが 牛乳の分離 で台無しになったことはありませんか?特に 生姜 を入れたときに分離してしまう経験をした人も多いはずです。

この分離の原因のひとつが 酸性酵素(プロテアーゼ) です。今回は、チャイを作るときに牛乳と一緒に入れると失敗しやすい 酵素を含む香辛料やフルーツ のリスト、さらに 加熱による酵素の失活条件 について詳しく解説します。


目次

チャイを分離させる原因:酸性酵素とは?

牛乳が分離する大きな要因のひとつが タンパク質分解酵素(プロテアーゼ) です。この酵素は、 牛乳のカゼイン(タンパク質)を分解 し、固まりやすくする働きがあります。

特に、

  • 生姜(ジンジャー)
  • パイナップル
  • パパイヤ
  • キウイ
  • マンゴー

などに含まれる プロテアーゼ は強力で、牛乳を入れて加熱すると分離しやすくなります。

しかし、プロテアーゼは加熱すると壊れる(失活する)ため、適切に処理すれば分離を防げます!


チャイを作るときに牛乳と一緒に入れると失敗しやすい食材リスト

チャイに入れるスパイスやフルーツの中で、牛乳と相性が悪く、分離を引き起こしやすいもの をまとめました。

酵素が原因で分離しやすいもの

食材含まれる酵素牛乳との相性
生姜(ジンジャー)ジンジベイン牛乳のカゼインを分解し分離を引き起こす
パイナップルブロメライン牛乳のタンパク質を分解し、分離を促進
パパイヤパパイン強力なタンパク質分解酵素を含み、牛乳が分離しやすい
キウイアクチニジン牛乳を入れるとカッテージチーズのように固まることがある
マンゴープロテアーゼ牛乳と混ぜるとざらつきが出ることがある

酸性が原因で分離しやすいもの

食材酸性度(pH)牛乳との相性
レモン2.0〜2.5強酸性で、牛乳のタンパク質を凝固させる
オレンジ3.0〜4.0乳製品と混ぜるとヨーグルトのような分離を起こす
クランベリー2.3〜2.5酸が強く、牛乳と混ぜると分離しやすい
酢(バルサミコ、リンゴ酢)2.5〜3.5牛乳のカゼインを凝固させる

分離を防ぐためのポイント

  • 酵素が含まれる 生の食材を直接牛乳に入れない
  • 酸性の強いものは 後から加える(加熱後に混ぜる)

酵素を無効化(失活)する方法

プロテアーゼは、加熱することで失活(働きを失う)します。 つまり、正しく加熱すれば牛乳と一緒に使っても分離しにくくなります。

プロテアーゼを失活させる加熱条件

食材失活する温度加熱時間の目安
生姜80℃以上1分以上
パイナップル70℃以上5分以上
パパイヤ80℃以上2分以上
キウイ75℃以上2分以上
マンゴー80℃以上3分以上

加熱の具体的な方法

① 酵素を含むスパイスやフルーツを先に加熱する

  • 生姜をスライスし、お湯で1分以上煮る
  • パイナップルやパパイヤは電子レンジ(600Wで1分以上)加熱

② 牛乳と混ぜる前に酵素を破壊する

  • 酵素を含む食材は 先に紅茶と一緒に煮出して、茶こしで濾してから牛乳を加える

③ 酸性のものは後から加える

  • レモンやオレンジなどの柑橘類は、チャイが完成した後に少量ずつ加える

まとめ

  1. 牛乳が分離する原因は「プロテアーゼ」や「酸」
  2. 生姜、パイナップル、パパイヤ、キウイなどは要注意!
  3. 加熱(80℃以上)することでプロテアーゼを失活させ、分離を防げる
  4. 酸性のフルーツや酢は、加熱後に少量ずつ加えると失敗しにくい

このポイントを押さえれば、失敗しない美味しいチャイが作れます! ぜひ試してみてくださいね☕✨

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この記事を書いた人

KANAMARUのアバター KANAMARU 紅茶マイスター

紅茶に携わって30年以上です。喫茶店経営やパン屋、スペイン料理レストラン、病院厨房などに携わってきました。30年もの間、スリランカやインド、台湾、中国、インドネシア、ブラジル、ヨーロッパなどを駆け巡り紅茶だけでなくコーヒーを見て回りました。また、陶磁器も好きなのでノリタケ、ナルミだけでなく瀬戸や有田などにも足を運んでいます。

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